会社のリスクとその特質
会社のリスクは避けられるか
自由経済においては、あらかじめ確定することができない事故等により、損失が発生する可能性は常にあります。
この損失の意味についても、大きく2つに分けることができます。
対応する収益のない価値の犠牲
例えば、販売した代金が回収不能になり、損失を被るといったケースがあげられます。
地震の被害や、工場の爆発事故で建物や機械が焼失したり、従業員が事故に巻き込まれてケガをしたり命を落としたりするのがこれにあたります。
たった一度の事故でも、会社にとっては大きな損失です。
場合によっては倒産する可能性があります。
ちなみに1995年の阪神・淡路大震災によって倒産した会社は、同年の2月から12月までで約220社に達しています。
一定期間の収益から費用を差し引いた差額が収益を上回る場合
自社の販売した商品に欠陥が指摘されて、市場にある商品を回収して、修理補充したり、回収後に廃棄処分にするといったケースがこれにあたります。
また、計画売上高の達成率が悪く、そのため販売経費が捻出できず、損失を計上する場合もこの例です。
前者では、商品の市場販売前に欠陥を見つけて、相応の対策をとれば、それほど大きな損失にはならないはずです。
後者では、販売不振の打開策を早めに取れば、損失は避けられるかもしれません。
このような会社のリスクは、地震や台風等の自然災害によるリスクとは別に、マネジメントや管理が適切であったならば、避けられるリスクも少なくありません。
特に、後者のようなリスクを日常的な管理の徹底によって避けることが、経営者や管理者にとって重要なリスク管理の職務であると言えます。
会社の安定性を高めるリスク管理
リスクを管理するといっても、多様なリスクをそれぞれ同じように管理することは、実際には不可能です。ことに自然災害は、科学的な余地情報をある程度収集したとしても、不確実な要素が多く、これを完全に管理し、万全な対策をとることはできません。
しかも、現実にいつ襲ってくるかも予測できません。ですから、このような災害については、保険によるリスクヘッジ手段をとり、最小限の経済的な補填だけでもできるようにしておくべきでしょう。もちろん、補填に限界があることも頭に入れておくことです。
他方、経営管理における「生産管理、販売管理、在庫管理、財務管理、労務管理、製品開発」等、多くの企業で日常実施している業務の中にも各種のリスクがあることは、経営外部危険と経営内部危険のところで説明したとおりです。
これらは管理次第でリスクを食い止め、また最小限の犠牲に抑えることができるものです。
リスク・マネジメントの目的
会社のリスク・マネジメントは、会社経営の様々な場面で発生する各種のリスクによる不測の損害や損失を、できるだけ少ない費用で効果的に処理して、収益の安定を図って、攻めの経営に徹して経営を繁栄に導くことに意味があります。
「最少の費用で、リスクによって発生する損失をカバーする」あるいは「事前管理や指導を徹底して、リスクを発生させない」ということがポイントとなります。このようなリスク管理は、売上げが大幅にアップして収益に直接的に貢献する性質のものではありませんが、間接的に企業収益に貢献して、売上げが伸びない低成長時代の戦略として、近年改めてその重要性が注目されています。
一見、防衛型の管理手法と見られがちですが、実は経営管理が本来持つべき攻撃型経営の下支えとして、重要な役割を持つのが「会社のリスク・マネジメント」と言えます。
























