裁判上の離婚とは
<1>夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができるものとする。ただし、1又は2も掲げる場合については、婚姻関係が回復の見込みのない破綻に至っていないときは、この限りでないものとする。
- 配偶者に不貞な行為があったとき
- 配偶者から悪意で遺棄されたとき
- 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき
- 夫婦が5年以上継続して婚姻の本旨に反する別居をしているとき
- 3、4のほか、婚姻関係が破綻して回復の見込みがないとき
<2>裁判所は、1の場合であっても、離婚が配偶者又は子に著しい生活の困窮又は耐え難い苦痛をもたらすときは、離婚の請求を棄却することができるものとする。4又は5の場合において、離婚の請求をしている者が配偶者に対する協力及び扶助を著しく怠っていることによりその請求が信義に反すると認められるときも同様とするものとする。
<3>第770条第2項を準用する第814条第2項(裁判上の離縁における最良棄却条項)は、現行第770条第2項の規定に沿って書き下ろすものとする。
離婚により請求できるもの(女性の場合)
相談者:夫に愛人ができたことから離婚を迫られ、私はやむを得ず先日離婚届に判を押したのですが、夫に対して、どのような請求をすることができるのでしょうか。
弁護士:離婚した場合には、相手方に財産分与や慰謝料を請求することが考えられます。まず、財産分与とは、たとえ名義が一方の配偶者のものであっても、結婚後に二人の協力により取得できた財産を分け合うことをいいます。ですから、あなたが専業主婦であっても、家や預金などについても妻のサポートがあってこそ取得できた財産である以上は、財産分与を請求することが可能です。 つぎに慰謝料とは精神的に苦痛を与えた場合に生ずる精神的損害に対する賠償のことをいいます。あなたの場合には、夫が愛人を作ったことにより精神的に苦痛を被っているので、慰謝料を請求することができるでしょう。
相談者:離婚後であっても、財産分与や慰謝料の請求をすることはできるのですか。
弁護士:できますが、財産分与請求権については離婚成立時から二年で、慰謝料請求権については離婚成立時から三年で、それぞれ時効により消滅します。 したがって、財産分与や慰謝料の請求をするのであれば、できるだけ早いうちにする方がよいでしょう。とくに財産分与については、相手方の財産処分による財産の散逸が予想されるので、できれば離婚成立前にこのような財産分与や慰謝料の金銭問題を解決しておくのはベストでしょう。
相談者:では実際に財産分与や慰謝料を請求するにはどのような手続きが必要になるのでしょうか。
弁護士:まず話し合いにより解決することが考えられますが、合意内容については必ず文書にしておくべきです。公証人役場で公正証書を作成してもらうのが一番確実といえます。しかし、相手方が話し合いに応じないときは、時効期間の経過などを防ぐためにも、早急に家庭裁判所に財産分与および慰謝料請求のそれぞれについて調停申立をするべきでしょう。 調停においてあなたと相手方が合意に至らない場合には調停は不調となり、財産分与については家庭裁判所の審判手続に移行し、慰謝料については地方裁判所に訴えを提起することになります。
相談者:今のところ、相手が話し合いに応じそうにないので、早速家庭裁判所に調停申立をすることにします。
離婚後の金銭問題
離婚後の生活で、経済的能力はやはり男女格差があります。
離婚後の生計をどう維持していくのか悩みは尽きません。
それを解決してくれるのが「財産分与」・「慰謝料請求」・「公的な保護制度」です。
■財産分与
離婚した夫婦の共有財産を公平に分配することを目的とした制度であり、配偶者にはそれを請求する権利があります。(離婚後2年でそれを請求する権利がなくなるので注意しましょう。)
財産分与は4つに分けられます
1.清算的財産分与
結婚中に夫婦が協力して得た財産を公平に分配
2.扶養的財産分与
離婚後 自力で生計を立てるのが困難な場合は扶養料の意味で支払われる
3.離婚による慰謝料
財産分与に含めて支払われ場合がある
4.過去の婚姻費用の清算
未払いになっている婚姻費用を請求できる
■ 慰謝料請求
離婚の原因に相手に責任がある場合は 慰謝料を請求することができます。
問題なく認められるもの
・ご主人の不貞
・ご主人からの暴力
<関連サイト>配偶者暴力相談支援センター
慰謝料の金額については、協議離婚・調停離婚などの手続きの際に決めていきます
離婚後3年でそれを請求する権利がなくなるので要注意!!
第3者に慰謝料を請求することができます。
- ご主人の浮気相手
- ご近所の主婦による妻の悪評をご主人が信じた場合
- 姑(しゅうとめ)が夫婦関係に過剰に干渉
- 舅(しゅうと)が妻にわいせつな行為をして夫婦関係がうまくいかなくなった場合
■ 公的な保護制度について
離婚したご主人に経済力がなく、また夫婦間に分与する財産がない場合、行政上の保護制度を検討してみましょう
◆児童扶養手当
離婚後に子供を教育する母親に対して 国が一定額の金銭を支給するもの。
◆児童手当
子供が3歳未満の場合 国から支払われます。
◆ひとり親家庭医療費制度
自己負担額を軽減してくれもの。
◆母子福祉資金
一般の金融機関から融資を受けることが困難な母子家庭を対象とした制度資金の種類は 事業開始資金や生活資金などいろいろあります。
融資の条件はゆるく利率も低いので、いざというときは受けてみましょう。
◆母子生活支援施設
安い料金または無料で借りられます 福祉事務所でお問い合わせしてください
◆公営住宅の優先入居
母子家庭の場合 優先してもらえる地方自治体もあります
◆税金について
財産分与や慰謝料を相手が支払わなかったり 拒否した場合は強制執行の手続きをとることができます。
国家金を借りて強制的に相手の財産を差し押さえるという制度。基本的には弁護士さんにお任せしましょう。
※費用と手間がかかります
教育費
●夫婦が離婚しても、子供(実子)と父親(実父)の関係は一生涯変わりません。又、切る事も出来ません(戸籍上からは消えない)。もし、父親が再婚しても同様に消えません。また、教育費の支払い義務がある年齢は、子供が成人する迄、または、大学等最終学校卒業するまでは、養育の義務があるとされています。なお、教育費は子供達が各種学校へ入学して、卒業するまでの予定費用を算出し、父親と同等な生活や学歴を得られるように計算します。
●費用の支払方法として、毎月定額払い・一年間毎に支払い、一時(一括)払い等があります。最終的に決定した場合は公正証書として正式な公文書に致します。
財産分与
基本的に財産を築くと言う事は、夫が働き妻が専業主婦の場合でも、妻が家庭の事をやってくれているので、夫が毎日落ち着いて働けるものと法的に考えられています。ゆえに、夫名義の財産でも妻名義の財産でも夫婦間の財産に付いては、一緒のものと考えられており、財産の状況やその他の場合によっては、裁判上で争うと妻の生活や子供の生活を考慮して2分の1以上の判決が出る場合も数多くあります。
1.対象となる財産
自動車・住宅・家財道具・預貯金・株式・ゴルフ会員権・各種有価証券・恩給・年金・退職金等と幅広くあります。なお、財産とは、有形・無形なもの全てが含まれます。
※自動車や住宅の場合は、ローンの残債が具体的に何がいくら残っているのかを明確にして算出します。(返済済みの金額も明確にしておく事。)
慰謝料について
法的に加害者から被害者に対して支払う損害賠償金です。夫から妻(又はその逆)への賠償支払いになります。算出方式としては、婚姻期間と内縁期間がある場合はその期間を含んで合計期間を出し、更に精神的ダメージの度合いと内容を考慮して支払額を決定します。
離婚に伴う金銭問題は基本的に財産分与・慰謝料・養育費の三つです。
1.財産分与
夫婦が結婚後に築いた共有財産を、離婚に際し分けること。
共有財産形成への貢献度に応じて配分が変わります。共稼ぎで収入に大きな差がなければ、大抵半々ぐらいとなります。
※結婚後に夫婦で蓄えた共有財産がなければ財産分与はありません。
2.慰謝料
相手方の有責行為によって離婚を余儀なくされる場合の精神的苦痛に対する損害賠償です。
判例はこれを不法行為による損害賠償としています。つまり相手に不法行為がなければ慰謝料は取れません。離婚原因が、性格の不一致、愛情喪失、嫁姑問題、金銭問題、酒乱、信仰上の対立等の場合、原則的には慰謝料は請求できません。
では慰謝料が認められる場合は主に不貞(浮気)、暴力、です。生活費を渡さない、一方的に離婚を言い渡されたなどの場合にも認められたケースもありますが、主に不貞と暴力と考えて良いでしょう。
●不貞の証拠は、ホテルに入る写真等厳しいものです。
●暴力の証拠は病院からの診断書です。
そしてこれらの証拠は裁判までいかない場合(離婚調停)でも慰謝料の算出に影響します。協議離婚でも金額で折り合いがつかなければ調停に持ち込めるというのは大きなアドバンテージとなります。
3.養育費
子を養育する親の扶養義務は生活保持義務と言われ、自己と同等の生活レベルを保持させなければならないとされています。
通常は、子供と別れた父親が、子供が満20才になる迄の毎月の養育費(生活費・教育費)を扶養能力に応じて分担して負担、母親に送金します。
父母の資産・収入、離婚時点でのこどもの状態、父親の子に対する愛情の程度・支払いに対する姿勢等で変動幅が大きくなる性質があります。
























