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女性のための豆知識

性暴力被害を規制する法律

女性に対する暴力は、女性の基本的人権を侵害するものであって、その根絶と救済は、男女平等の社会を実現するうえで重要な課題とされてきました。
そのため、わが国でも、男女共同参画社会基本法においてこのことを明らかにしました。
さらに、職場における女性に対する嫌がらせ(=セクシャルハラスメント)の防止を男女雇用機会均等法21条で事業主に義務付ける改正を行ったほか、地域社会における女性に対する暴力についてはストーカー行為等規正法、家庭における暴力についてはDV防止法を制定し、その根絶に向けた国や自治体の責任を明らかにするとともに救済の手続きを定めました。

女性に対する暴力

女性に対する暴力は、社会活動のあらゆる場面に存在します。
戦時下における女性に対する暴力は、太平洋戦争時の従軍慰安婦問題や旧ユーゴスラビアに見られるような民族浄化作戦の名による組織的強姦など、近年においても問題になっています。
また、数年前に、沖縄駐留米軍兵士による少女暴行事件に起きましたが、これも戦時下同様に軍隊による女性に対する暴力でした。さらに、アジア諸国の貧しい家庭の女性を拘束して性風俗産業で売春を強要する売春組織は(ヤクザ)として国際的に通用する用語になっていますし、少女売春やアジア諸国に向けた売春目的ツアーなど、子どもたちがこうした性暴力被害の犠牲になっています。
こうした人権侵害には少なからぬ日本人男性が加害者になってきたことが指摘されています。女性に対する暴力は、女性に対する差別、固定的な性役割が存在する男性優位社会に構造的に発生する社会問題です。
前述のような暴力は、自分たちには関係ない世界で起きているように思えますが、実は、生活のあらゆる場面で女性に対して暴力がふるわれています。
職場におけるセクシャルハラスメントや、つきまとい等のストーカー行為、夫からの妻や子どもへの暴力などです。
それは、有形力を用いた身体的な暴力に限らず、女性の意に反する心理的・性的・経済的な局面においての違法な攻撃であって女性の人間としての存在と発展可能性を根底から否定するものです。

法律による暴力の禁止と防止〜法律は暴力を許さない〜

女性に対する暴力は女性の基本的人権を侵害する違法行為です。
ともすると親しい男女間には法律は入り込めないと見逃されていた人権侵害にも法律による救済の手が及ぶようになりました。

刑法等に抵触する犯罪

女性に対する暴力は、今までの刑法や軽犯罪法、各自治体の迷惑防止条例でも罰則を課することを背景に禁止されてきました。
暴行、脅迫、傷害、殺人、名誉毀損、公然侮辱、強制わいせつ、強姦、痴漢行為などの犯罪です。
しかし、国家権力が市民の自由を制約する捜査や処罰を加えることになると、罪刑法定主義に基づく法律の厳格な適用が要請されるので、暴力の範囲も狭く捉えられることになります。
例えば、強姦罪になるには、暴行または脅迫によって女性を“著しく”抵抗、拒否する事を困難な状況にして性的自由を侵害したことが要件になり、被害者の女性が必死に抵抗しなければ処罰できないとされる傾向にあります。
また、刑事処分に付するには厳格な証明が求められることから、捜査側も加害者に言い逃れを許さない確実な証拠がなければ起訴しないため、加害者が密室での犯罪について「合意に基づくものだった」と主張したときは被害者の証言が確かかどうかを問われ、この種の犯罪被害にありがちな記憶の欠落が処罰への大きな壁になってしまうこともあります。
しかし、暴力を受けたとき、身動きできなくなったり、被害にあわないように言葉で必死に説得する行動に出る被害者も少なくありません。
それに、被害の結果として、記憶が一部空白になっている場合も少なくありません。
女性が望まないこのような身体的、性的、心理的、人格的自由の侵害行為は根絶しなければならない暴力であり、被害からの救済が行われなければなりません。

男女雇用機会均等法に基づくセクハラ防止

男女雇用機会均等法は、職場における性的言動によって、女性の就業環境を害したり、女性の雇用や労働条件に不利益を加える行為を広く防止するよう事業主に求めています。
この法律は、職場における男女平等を確保することを目的としたもので、その一貫として、ヌード写真等視覚に訴える性暴力や、性的な噂話や性的評価の流布等のセクハラ行為も違法行為として定めています。

心的外傷後ストレス障害

PTSDとは

大規模災害の被災者同様、性暴力被害や虐待に被害者が心理的・精神的に苦しめられる症状はPTSDとして問題になっているが、社会の偏見もあり理解や援助を受ける機会は少ないのが現状です。

外傷後ストレス障害(PTSD)診断基準

戦争や大規模災害に遭遇した兵士や被災者などの衝撃的な出来事に遭遇したときに経験される精神神経症状が、被害をより深刻にしていることは古くから知られていますが、近年、性暴力被害や虐待に遭遇した被害者が往々にして苦しめられる心理的・精神的な症状も、PTSD(外傷後ストレス障害)として問題になっています。
戦争や大規模災害による苦痛については、誰もがその辛さや深刻さへの理解を示すことができ、社会的にも支援を受けることができますが、性暴力被害については、社会の偏見もあって理解や援助を受ける機会も少ないのが実情です。

PTSDの症状と判断基準

性暴力による被害

性暴力による影響は、PTSDのような心理的・精神的症状のみならず、ストレスによる身体症状が引き起こされることもあって深刻です。
事件後のこれらの症状は、遭遇した苦痛な出来事がもたらすもので、被害者自身に原因があるものではありません。どうしてこんなふうに変わってしまったのか、働けなくなってしまったのかと自分を責める必要はないものです。
こうした症状は戦争や自然災害などによっても生じますが、社会の理解や援助を得る機会が少ないために影響はいっそう深刻といえます。社会に根強い女性に対する偏見や差別による性暴力被害に対する理解の無さが原因で、さらに被害を深刻化させることも少なくありません。
被害について相談できる窓口を設置している民間団体や自治体が増えていますので、まずは相談することが大切です。
また、事件をさかいに上記のような状況になった場合、それは(PTSDの要因となる)衝撃的な事件の存在を証明する重要な事実でもあり、暴力による被害それ自体を示すものでもあります。
就業継続や日常生活上の困難の具体的な裏付けとなり、将来の逸失利益など経済的損害が明確になって賠償金額の高額化にもつながります。

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